SSD の最大消去回数 (MLC, TLC, 3D TLC)

SSD の書き込み特性

SSD は書き込まれたセルをブロック単位で消去してから、(ブロックより小さい)ページ単位で再書き込みを行う。
書き換えが可能な回数には限界があり、最大回数はセル毎のビット数や微細化の度合いなどにより大きく違う。

最大消去・書き換え回数

SLC, MLC, TLC と、ビット数の増加の度に概ね 1/10 程度に低下 (全て平面型の場合)。
一般に SLC は 10万回、TLC は 1000回程度と言われている。

3D TLC は 3000回程度と言われている。
3D NAND は、従来平面的に配置されていたセルを立体構造にすることにより、単位面積あたりの容量が大きく向上しており、同世代なら平面型より書き換え可能回数が増加する傾向にあるようだ。

製品の耐久性

既に一般向け製品はほとんどが 3D TLC か TLC になっており、3D QLC も登場している。そのような製品レベルではコントローラの違いや (DRAM や SLC を用いた) キャッシュの有無も重要で、それらによる消去・書き込み最適化の度合いが消去回数に大きく影響する。
安価な SSD にはキャッシュ非搭載の製品があり、パフォーマンスや耐久性に良くない影響があるものと思われる。

参考サイト

ソリッドステートドライブ - Wikipedia
NAND型フラッシュメモリ - Wikipedia
3D NANDフラッシュとは | Tintri

Windows Update のクリーンアップで空き領域を増やす

Windows の自動更新などで Windows Update が実行されると、次第にストレージ (HDD・SSD) の空き領域が減っていきます。
その理由はもちろん、Windows 自体のサイズが増加する為でもあるのですが、実は Windows の動作に必須ではないファイルも残されたり、作られたりしています。

そのような削除しても良いファイルのうち、アップデート前の状態に復元する為のバックアップ(復元ポイント)は、一定期間後に自動的に削除されます。

しかし、過去にインストールされた更新プログラム情報は、不要ですが残ってしまいます。これは既に Windows で使われておらず、再利用されることも無いため、削除しても問題ありません。空き領域は数GB程度増える可能性があります。

また、アップグレードのログファイルも自動削除されません。こちらも Windows の動作には無関係で削除しても構いませんが、トラブル時に役立つ可能性があるため、残しておくことが推奨されています。

クリーンアップの実行方法

過去の更新プログラム情報の削除は、Windows の設定から簡単に行なえます。
まず、スタートメニューの ⚙ 歯車マークなどから「Windows の設定」を開き、メニューを下記の順にたどります。

システム > ストレージの項目ストレージセンサーにある「今すぐ空き領域を増やす

windows_update_cleanup1.jpg
Windows の設定 > システム > ストレージ

複数の削除対象項目とチェックボックスが表示されますので、その中から、「Windows Update のクリーンアップ」にチェックが入っていることを確認しましょう。なお、既にクリーンアップされている場合は、項目自体が表示されません。

削除対象項目のうちのいくつかは最初からチェックされていますが、上記の通りアップグレードログファイルは外しておいたほうが良いかもしれません。その他も、必要がなければチェックを外します。「縮小表示」と「一時ファイル」は削除しても大丈夫ですので、チェックを入れておきます。

windows_update_cleanup2.png
Windows Update のクリーンアップ中

確認がおわったら、上部にある「ファイルの削除」ボタンを押すと、不要ファイルの削除が開始されます。

完了までの時間

「Windows Update のクリーンアップ」にはかなり時間がかかります。数十分から1時間以上かかる可能性もありますので、PC の稼働時間に余裕があるときがオススメです。

削除中は進捗状況が表示されず、ちゃんと動いているのか不安になりますが、タスクマネージャで CPU の負荷など見ると動作していることが確認できます。
Everything などのインデックスを作るタイプのファイル検索ソフトが常駐している場合は、完全に終了させておいたほうが進捗が早くなるかもしれません(…関係ないかも)。

なお、「今すぐ空き領域を増やす」機能は Windows に以前から搭載されている「ディスク クリーンアップ」とほぼ同等のようです。「ディスク クリーンアップ」は今後廃止される予定ですが暫くの間は利用可能で、そちらでも削除できます。

※ 2018年10月現在の Windows 10 で確認。

関連サイト

ストレージとメインメモリの違い

ITmediaにこんな記事が掲載されていた。

知らないと恥ずかしい? メモリの「RAM」と「ROM」の違い - ITmedia NEWS

PCにある程度詳しい人でなければ、メインメモリ(RAM)とストレージ(HDDやSSD等)の違いというのはなかなか分かり難いようで、実際僕の周りでもこの区別がついてない人は多く、説明に苦労した経験がある。
これらは少し昔の、HDD主流の時代から混同されやすかったが、SSD(フラッシュメモリ)の登場以来、その違いはなおさら解りにくくなっている。なぜならばフラッシュメモリもメモリの一種だからだ。

上記ITmediaでは混同の問題が、RAMとROMの違いという視点から書かれている。 けれどこの混同の根本的な原因はそこではなく、「メインメモリ(主記憶装置)」と「ストレージ(補助記憶装置)」の違いと、それらの働きが理解できていない事によるものだろう。

2017年現在、PCやスマホなどのメインメモリはRAM(DRAM)だ。しかしながら、メインメモリがRAMである必然性はない。 メインメモリには今現在、RAMが最も適しているからRAMを採用しているに過ぎない。 高速にデータを読み書きできるのであれば何もRAMである必要はなく、それどころか半導体メモリである必要すらない。その意味では「主記憶装置」という表現がより適切だが、ここでは一般的な表現を軸に説明する。

メインメモリがRAMである理由

PCやスマホを含む現在のあらゆるコンピュータは基本的に、何らかのデータ(とプログラム)を元に内部で複雑な処理(演算)を行い、その結果を画面に表示したり、外部に転送したり、内部に蓄積しておいたりする。 その処理をする過程で、一時的に、極めて高速にデータを読み書きできる保管場所が必要になる。それが「主記憶装置(メインメモリ)」だ。

主記憶装置は、高速に読み書きできる事が最も重要な為、高速かつ実用的な価格で製造できるDRAMがほとんどのコンピュータに採用されている。 DRAMはその構造上、電源供給が途絶えればあっという間にデータが消えてしまうという重大な弱点があるものの、この用途だと処理が完了すればデータが消えてしまっても構わないから問題にはならない。だがそれ故に、データを恒久的に蓄えておく場所「補助記憶装置(ストレージ)」が必要になる。

ストレージの現在と混同

ストレージは、電源を切っても消えないという特長の他に、安価かつ大容量である事が求められる。 その期待に応えられるのが、HDDだった。最近ではSSDなどのフラッシュメモリも、比較的小さな容量ではHDDに迫るか、むしろHDDより安価に製造できるようになってきている。 加えて小型で軽量、衝撃にも強いフラッシュメモリは、スマホを始めとする携帯端末において圧倒的なシェアを占めている。

RAMとROMの違いについてはITmediaの記事を参考にして頂くとして、そのような訳で、現在のコンピュータにはメインメモリとストレージという用途の違う記憶装置が必要であり、それらにDRAM及びHDD、フラッシュメモリが採用されてきたわけだ。

何を記憶装置に採用するかは、技術進歩と必要に応じて変化してゆくものだ。だから一般に混同されているものは、RAMとフラッシュメモリやROMの違いというよりも、メインメモリとストレージの違いだと言える。

ストレージがROMと呼ばれる理由

ITmediaの記事にも書かれている通り、ストレージをROMと表現するのは極めて不自然だ。 なぜならばストレージは読み書き(と消去)できるものであるにも関わらず、ROMという用語は読み取り専用のメモリを意味しているからだ。

件の記事では下の通り、スマホ等においてROMと表現される理由を「なぜか」と言っているが、フラッシュメモリの歴史的経緯を知れば原因らしいものが見えてくる。

国内で携帯電話などのサービスを提供する通信キャリアが公開しているスマートフォンのスペック表を見ると、なぜかデータを保存するストレージ容量を「ROM ○GB」として表記する慣習がある。2017年現在も大手3キャリアのスペック表を見ると、保存領域の容量をROMとして表現している。まるでRAMの対義語かのように。

現在でこそフラッシュメモリは頻繁に書き換えるストレージなどの用途に使われている。だが、当初のフラッシュメモリは高価・小容量などの理由で、ファームウェア(電子機器を制御する為の基盤プログラム)などのごく限られた用途にのみに使われていた。
そういった用途では、不具合修正等のアップデートや設定変更以外では書き換える必要がないため、特別な手順を踏まなければ書き換えられず、通常時は読み出し専用として使われていた。そしてそういう用途のフラッシュメモリは「フラッシュROM」とも呼ばれていた。

もうお解りだと思うが、このフラッシュROMという用語が、略して「ROM」と表記されるようになり、本来の意味が失われて今に至ってしまったというのが事の顛末ではないかと思われる。

蛇足ながら個人的には、RAMの対義語はROMで大体合ってると思う(消去書き込みの可否という意味で)。

メインメモリとストレージの未来

メインメモリとストレージは近い将来、統合という新たな段階を迎えようとしている。 DRAMの「電源を切ると消えてしまう」という欠点を解消し、高速動作を維持しつつ電源が無くても消えない新しいメモリの開発が進んでいるからだ。 この新メモリをメインメモリに採用すれば、原理的には現在のストレージは不要になる。PCやスマホに搭載するのは1種類の新メモリだけで良いので、同時に混同問題も解消する。いつでも瞬時に電源のオン・オフが出来るので、省電力にも大きく貢献するだろう。

課題は信頼性と価格、生産効率だが、もしHDDやSSDに迫る信頼性と価格で大量生産が可能になれば、あっという間にDRAMもHDDもフラッシュメモリも過去の遺物になってしまう可能性がある。現在の見込みではフラッシュメモリ価格の5倍程度と高価だそうだが、そんな夢のような未来が訪れるのだろうか?
しかし今まで夢を何度も実現してきたコンピュータの世界だ。夢の未来は案外すぐに到来する。

参考