ストレージとメインメモリの違い

ITmediaにこんな記事が掲載されていた。

知らないと恥ずかしい? メモリの「RAM」と「ROM」の違い - ITmedia NEWS

PCにある程度詳しい人でなければ、メインメモリ(RAM)とストレージ(HDDやSSD等)の違いというのはなかなか分かり難いようで、実際僕の周りでもこの区別がついてない人は多く、説明に苦労した経験がある。
これらは少し昔の、HDD主流の時代から混同されやすかったが、SSD(フラッシュメモリ)の登場以来、その違いはなおさら解りにくくなっている。なぜならばフラッシュメモリもメモリの一種だからだ。

上記ITmediaでは混同の問題が、RAMとROMの違いという視点から書かれている。 けれどこの混同の根本的な原因はそこではなく、「メインメモリ(主記憶装置)」と「ストレージ(補助記憶装置)」の違いと、それらの働きが理解できていない事によるものだろう。

2017年現在、PCやスマホなどのメインメモリはRAM(DRAM)だ。しかしながら、メインメモリがRAMである必然性はない。 メインメモリには今現在、RAMが最も適しているからRAMを採用しているに過ぎない。 高速にデータを読み書きできるのであれば何もRAMである必要はなく、それどころか半導体メモリである必要すらない。その意味では「主記憶装置」という表現がより適切だが、ここでは一般的な表現を軸に説明する。

メインメモリがRAMである理由

PCやスマホを含む現在のあらゆるコンピュータは基本的に、何らかのデータ(とプログラム)を元に内部で複雑な処理(演算)を行い、その結果を画面に表示したり、外部に転送したり、内部に蓄積しておいたりする。 その処理をする過程で、一時的に、極めて高速にデータを読み書きできる保管場所が必要になる。それが「主記憶装置(メインメモリ)」だ。

主記憶装置は、高速に読み書きできる事が最も重要な為、高速かつ実用的な価格で製造できるDRAMがほとんどのコンピュータに採用されている。 DRAMはその構造上、電源供給が途絶えればあっという間にデータが消えてしまうという重大な弱点があるものの、この用途だと処理が完了すればデータが消えてしまっても構わないから問題にはならない。だがそれ故に、データを恒久的に蓄えておく場所「補助記憶装置(ストレージ)」が必要になる。

ストレージの現在と混同

ストレージは、電源を切っても消えないという特長の他に、安価かつ大容量である事が求められる。 その期待に応えられるのが、HDDだった。最近ではSSDなどのフラッシュメモリも、比較的小さな容量ではHDDに迫るか、むしろHDDより安価に製造できるようになってきている。 加えて小型で軽量、衝撃にも強いフラッシュメモリは、スマホを始めとする携帯端末において圧倒的なシェアを占めている。

RAMとROMの違いについてはITmediaの記事を参考にして頂くとして、そのような訳で、現在のコンピュータにはメインメモリとストレージという用途の違う記憶装置が必要であり、それらにDRAM及びHDD、フラッシュメモリが採用されてきたわけだ。

何を記憶装置に採用するかは、技術進歩と必要に応じて変化してゆくものだ。だから一般に混同されているものは、RAMとフラッシュメモリやROMの違いというよりも、メインメモリとストレージの違いだと言える。

ストレージがROMと呼ばれる理由

ITmediaの記事にも書かれている通り、ストレージをROMと表現するのは極めて不自然だ。 なぜならばストレージは読み書き(と消去)できるものであるにも関わらず、ROMという用語は読み取り専用のメモリを意味しているからだ。

件の記事では下の通り、スマホ等においてROMと表現される理由を「なぜか」と言っているが、フラッシュメモリの歴史的経緯を知れば原因らしいものが見えてくる。

国内で携帯電話などのサービスを提供する通信キャリアが公開しているスマートフォンのスペック表を見ると、なぜかデータを保存するストレージ容量を「ROM ○GB」として表記する慣習がある。2017年現在も大手3キャリアのスペック表を見ると、保存領域の容量をROMとして表現している。まるでRAMの対義語かのように。

現在でこそフラッシュメモリは頻繁に書き換えるストレージなどの用途に使われている。だが、当初のフラッシュメモリは高価・小容量などの理由で、ファームウェア(電子機器を制御する為の基盤プログラム)などのごく限られた用途にのみに使われていた。
そういった用途では、不具合修正等のアップデートや設定変更以外では書き換える必要がないため、特別な手順を踏まなければ書き換えられず、通常時は読み出し専用として使われていた。そしてそういう用途のフラッシュメモリは「フラッシュROM」とも呼ばれていた。

もうお解りだと思うが、このフラッシュROMという用語が、略して「ROM」と表記されるようになり、本来の意味が失われて今に至ってしまったというのが事の顛末ではないかと思われる。

蛇足ながら個人的には、RAMの対義語はROMで大体合ってると思う(消去書き込みの可否という意味で)。

メインメモリとストレージの未来

メインメモリとストレージは近い将来、統合という新たな段階を迎えようとしている。 DRAMの「電源を切ると消えてしまう」という欠点を解消し、高速動作を維持しつつ電源が無くても消えない新しいメモリの開発が進んでいるからだ。 この新メモリをメインメモリに採用すれば、原理的には現在のストレージは不要になる。PCやスマホに搭載するのは1種類の新メモリだけで良いので、同時に混同問題も解消する。いつでも瞬時に電源のオン・オフが出来るので、省電力にも大きく貢献するだろう。

課題は信頼性と価格、生産効率だが、もしHDDやSSDに迫る信頼性と価格で大量生産が可能になれば、あっという間にDRAMもHDDもフラッシュメモリも過去の遺物になってしまう可能性がある。現在の見込みではフラッシュメモリ価格の5倍程度と高価だそうだが、そんな夢のような未来が訪れるのだろうか?
しかし今まで夢を何度も実現してきたコンピュータの世界だ。夢の未来は案外すぐに到来する。

参考

TS32GUSDC10のベンチマーク

Transcendの32GB microSDHCカード TS32GUSDC10を購入したので、その性能を測るためベンチマークテストを行いました。


microSDHCカード仕様

品名: TS32GUSDC10
規格: microSDHCメモリカード
容量: 32GB
速度: Class10
参考価格: 3,880円(2012年3月現在)


ベンチマークテスト結果

TS32GUSDC10のベンチマークテスト結果

-----------------------------------------------------------------------
CrystalDiskMark 3.0.1 (C) 2007-2010 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
-----------------------------------------------------------------------
* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s]

Sequential Read : 20.725 MB/s
Sequential Write : 12.218 MB/s
Random Read 512KB : 20.463 MB/s
Random Write 512KB : 12.027 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 4.916 MB/s [ 1200.2 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 1.291 MB/s [ 315.2 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 5.092 MB/s [ 1243.2 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 1.296 MB/s [ 316.3 IOPS]

Test : 100 MB [G: 0.0% (0.0/29.2 GB)] (x3)
Date : 2012/03/13 10:42:51
OS : Windows Vista Ultimate Edition SP2 [6.0 Build 6002] (x86)


Test : 1000 MBでの結果

-----------------------------------------------------------------------
CrystalDiskMark 3.0.1 (C) 2007-2010 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
-----------------------------------------------------------------------
* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s]

Sequential Read : 20.559 MB/s
Sequential Write : 11.956 MB/s
Random Read 512KB : 19.938 MB/s
Random Write 512KB : 10.808 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 4.098 MB/s [ 1000.5 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 0.712 MB/s [ 173.8 IOPS]

Test : 1000 MB [G: 0.0% (0.0/29.2 GB)] (x2)
Date : 2012/03/13 11:23:36
OS : Windows Vista Ultimate Edition SP2 [6.0 Build 6002] (x86)



テストPC環境

CPU: Core2Duo 2.66GHz
RAM: 4GB
カードリーダ: ねこ型 USB2.0接続カードリーダー DN-CATCRシリーズ (上海問屋)


結果について

連続読込で20MB/s、書込で12MB/s程度出ており、なかなか優秀な結果でした。
ランダム読み書きでも比較的高いスコアが出ており、価格と性能のバランスに優れたカードです。
現状、microSDHCの大容量カードは選択肢が少ない事もあり、最有力候補と言えるのではないでしょうか。

>> "TS32GUSDC10のベンチマーク"の続き

上海問屋SDHCカードのベンチマークテスト

上海問屋セレクト SDHCカード 8GB Class10の写真

上海問屋セレクト SDHCカード 8GB を購入したので、ベンチマークテストしてみました。

計測には上海問屋の「ねこ型 USB接続カードリーダー Donyaダイレクト DN-CATCRシリーズ」をUSB2.0で接続して使用しました。

なお、公式サイトによると「その時々で価格と品質のバランスが最も良いお買い得品を上海問屋スタッフが選別して、ご提供しております」との事なので、届く商品は同じスペックとは限らないようです。
ベンチマーク結果はご参考までにどうぞ。


SDメモリカードの仕様

品名: 上海問屋セレクト SDHCカード 8GB (Class10) #88582
規格: SDHCメモリカード
容量: 8GB
速度: Class10


ベンチマークテスト結果

-----------------------------------------------------------------------
CrystalDiskMark 3.0.1 (C) 2007-2010 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
-----------------------------------------------------------------------
* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s]

Sequential Read : 19.939 MB/s
Sequential Write : 10.875 MB/s
Random Read 512KB : 18.807 MB/s
Random Write 512KB : 0.759 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 1.991 MB/s [ 486.0 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 0.193 MB/s [ 47.0 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 2.313 MB/s [ 564.6 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 0.191 MB/s [ 46.7 IOPS]

Test : 100 MB [G: 0.0% (0.0/7592.0 MB)] (x3)
Date : 2012/01/27 1:55:26
OS : Windows Vista Ultimate Edition SP2 [6.0 Build 6002] (x86)


結果について

連続書き込み速度が10MB/secを超えており、Class10の表記通りになってます。
連続読み込み速度のほうは20MB/secですが、こちらはUSB2.0カードリーダの仕様上の限界速度かもしれません。
また、ランダム読み書きもそれなりに速度が出ており、Transcendのメモリカードと比べても遜色無い速度になっています。

参考データ
Transcend SDHCメモリカード 8GB Class6 TS8GSDHC6

Sequential Read : 19.768 MB/s
Sequential Write : 14.203 MB/s
Random Read 512KB : 17.718 MB/s
Random Write 512KB : 1.157 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 1.259 MB/s [ 307.3 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 0.269 MB/s [ 65.8 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 1.597 MB/s [ 389.9 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 0.274 MB/s [ 66.8 IOPS]


>> "上海問屋SDHCカードのベンチマークテスト"の続き

TS8GSDHC10のベンチマークテスト

TS8GSDHC10のベンチマークテスト結果
Transcendの8GB Class10 SDHCメモリカード TS8GSDHC10のベンチマークテスト結果です。

計測には上海問屋の「ねこ型 USB接続カードリーダー Donyaダイレクト DN-CATCRシリーズ」をUSB2.0で接続して使用しました。


SDメモリカードの仕様

品名: TS8GSDHC10
規格: SDHCメモリカード
容量: 8GB
速度: Class10


ベンチマークテスト結果

-----------------------------------------------------------------------
CrystalDiskMark 3.0.1 (C) 2007-2010 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
-----------------------------------------------------------------------
* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s]

Sequential Read : 20.092 MB/s
Sequential Write : 18.770 MB/s
Random Read 512KB : 19.809 MB/s
Random Write 512KB : 1.115 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 3.272 MB/s [ 798.8 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 0.011 MB/s [ 2.6 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 3.265 MB/s [ 797.0 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 0.014 MB/s [ 3.4 IOPS]

Test : 100 MB [G: 0.0% (0.0/7675.0 MB)] (x3)
Date : 2012/01/27 2:09:25
OS : Windows Vista Ultimate Edition SP2 [6.0 Build 6002] (x86)


結果について

連続書き込み18MB/secと、Class10の仕様速度である10MB/secを大幅に上回っています。
連続読み込み速度は20MB/secですが、こちらはカードリーダの制限により性能を充分に発揮できていない可能性もあります。
Class6の TS8GSDHC6 では 0.27MB/sec程度出ている4KBのランダムライトが非常に遅いのですが、こちらの原因は不明です。


現在の価格

 

WD25EZRXのスペック

WesternDigitalの2.5TB HDD「Caviar Green WD25EZRX」が7000円切りました。

7/24現在、1GB単価では最安で、2TBや3TBのHDDよりも高コストパフォーマンス。
3TBの購入を考えている方には、有力な選択肢になるのではないでしょうか。

WD25EZRXのスペックは下記の通り。
容量以外は3TBモデルの WD25EZRXと全く同じです。

サイズ: 3.5インチ
容量: 2.5TB
回転数: IntelliPower(恐らく5400rpm)
キャッシュサイズ: 64MB
インターフェース: SATA 6.0Gbs
消費電力: 読み書き時 6W、アイドル時 5.5W、スタンバイ/スリープ時 0.8W
騒音レベル: アイドル時 24 dBA、シーク時 25~29dBA





関連情報
WD30EZRXのレビュー
WD30EZRXのベンチマークテスト